製粉会社 訪問

焼き菓子に欠かせない「粉」について

ほとんど知識がなく、どのように生産されているのかも

実感を伴って知らないままでいます。

 

(それを言い始めたらバターや砂糖等、

その他のものすべてに言えることなのですが…(-_-;))

 

そんな折、愛用の製粉会社の方の記事を拝読し、

不躾ながら手紙を出して突撃。

訪問と工場見学のお願いをしていました。

 

事務からは残念ながら対応していないというお返事でしたが、

なんと一年近く経って取締役のM氏より直にお返事をいただき、

先日会社を訪問して、お話を伺い、

工場見学もさせていただきました。

 

 

昭和50年入社以来の経験、知識からなる

溢れ出て 止まることのないお話に、

ただ一言…圧倒されてしまいました。

 

「粉」と一口に言っても

単純に説明ができ、簡単に選択ができるものではなく、

知れば知るほど広く深い世界にはまり込んでいってしまう、、、

それはどの世界でも同じことなのですが、

平地からエベレスト山頂を臨むような感じがしました。

氏の知識は多岐に渡り、広く深く、まさに生き字引でした。

 

・長野県産小麦粉の歴史

・品種や製法

・地域によって好まれる食感の違い、それに影響を与えた気候と適正品種

・世界や日本の生産の現状

・それぞれの粉の適性

などに留まらず

・モンサントやラウンドアップにも話が及び、遺伝子組換え

・栄養やダイエット

・グルテンフリー

についても、現場からの公正なお話を伺うことができました。

 

世間一般に流布している情報の何割かは

利害関係やなんらかの力が働いて煽情的だったり、

ある視点からのみ光を当ててまことしやかに語られたものだと

いう思いがし、

 

そのあまりに膨大な情報の海の中を

正しい知識を持って 自力で必要な情報を選び取るということは

かなり困難な時代だと改めて感じました。

 

外皮を取り除き、これから挽く工程に入る小麦

 

 

たくさんのメモの中から、

当たり前のことのようですが

特にエッセンスだと自分が感じたことをここに記します。

 

【身体に良い、栄養素的に優れているもの

=美味しいもの   ではない。】

(残念ながら。だから前者をいかに美味しく食べられるように加工、工夫するかが大切な課題)

 

【グルテンフリーについて】

グルテンは

①アレルギー②不耐性③セリアック症

を引き起こす可能性があり、そのうち③が特に注意すべきもの。

 

セリアック症は小腸が起こす自己免疫疾患であって、

下痢、時には小腸が機能せず栄養失調にまで至る重篤な疾患。

日本ではまだ罹患率が低いために、

不耐性とセリアック症の区別も明確ではなく

グルテンフリー = 美容や健康に良い、

と混同されるような状況になっているように見受けられるが

増加の傾向にあるアメリカでは、

グルテンを食生活から取り除くということは命に関わる深刻な問題。

(母乳育児の結果、罹患率が低下するというデータもあり)

 

 

一部で、昨今のグルテンフリーの傾向は、

遺伝子組み換えが原因ではないかと

不安な声もありましたが、まったく無関係だそうです。

 

※ ちなみに小麦に関しては

【世界でも、日本でも、

小麦に関しては遺伝子組み換えは禁止されているので

少なくとも現段階では心配はないそうですよ!】

※ いずれは「ゲノム編集」はOKになるかもしれない方向だそう。

(3倍の大きさの鯛をつくるとか、

リコピン増量のトマトをつくるとか)

 

かなりざっくりと、

とりとめもない訪問記録になってしまいましたが

少しでも参考になることをお届けできればと思います。

 

 

工場の粉ふるい。

あまりのスケールに、粉好きのわたしは高揚して

脚が震えました。(笑)

 

帰りには粉気分(なんだそれ?)も昂まり、

近場のパン屋さんを巡り、

遅いお昼に大好物のたまごサンド。

長野県産の小麦粉使用と知り、余計に美味しさを感じました。

 

さらに食パンばかり4斤も買ってしまいました。

しばらくパン食です。