委託製造が実現に向けて進行中です

ワイベイクは一人で焼いているために、たくさんのものを作ることができません。
2021年後半からは、身体をいためてしまったのでご注文にも応じることができず、
売れ行き好評だったにもかかわらず味噌ビスコッティも生産できなくて
ご迷惑をおかけしてしまい自分自身も残念な思いをしました。

その頃から、外注で製造できたらという夢が再燃しました。
いくつか紹介されて動いてはみたもののうまくいかなくて諦めていたのですが、
今年になって実現に近付きました。

Y-bakeの大切な焼き菓子を焼いて下さるのが、
山梨県にある「ぎんが工房」さんです。
ずっと長くご縁のある、わたしにとっては温かい思いもある、安心、信頼して託せる先です。

ちょっと長くなりますが…
ぎんがさんはわたしの母の幼なじみがお隣の山梨県に設立した多機能型事業所です。
彼女は山梨に嫁ぎましたが、ご自分のお子さんが後天的に障害を抱えたために、
そうした子たちが滞在できる場所を作りました。
そして、子どもの成長に伴いさらに就労にまでその支援を広げました。

わたしの母も相当元気ですが、ぎんが設立者の彼女と二人揃うと
お互いの話を聞いているのか?!と思うくらい(笑)高校生に戻ったように喋りまくっています。
主体的で活動的で、エネルギッシュ。強く明るく温かい、尊敬する女性です。

かねてより委託するならぎんがさんがいい!とひそかに夢を持っていましたので、
(その2年ほど前に一度フラれた経緯もありました(;^_^A )
2022年の夏に別件で施設見学に行った時にダメもとでと委託の件を打診しました。
焼き菓子に力を入れていきたいというぎんがさんのタイミング的にも良かったのか、
若いスタッフさんが乗り気になってくださったおかげです。
諦めていただけに、こうして形になったことを本当にとてもうれしく思っています。

2005年頃、都内在住時にミニペーパーの取材と記事を書くというお手伝いをしていたことがあり
その当時は「授産施設」と呼ばれていたベーカリーを取材したことが
よりそうした施設への親近感を強めるきっかけとなりました。
そこのパンや焼き菓子は、全てクオリティが高くておいしくて大好きでした。
(今でも近くにあったらいいのになぁとよく思います)

信州でも施設のクッキーはおいしいものが多くてよく買い求めますが、
わたしの中では「味と質が信頼できる」位置づけです。

※ ちなみに今は「授産施設」とは言わず、ぎんがさんは「多機能型事業所」の中の
「就労継続支援B型」にあたる施設です。

初めて行った試作。
朝から山梨に向かい、初めてのスタッフさんに挨拶して
初めての大きな設備の中での試行錯誤の作業でした。

担当の方の事前の丁寧なやりとりと完璧な準備。
配合と生地を見ただけで「これ絶対美味しいやつ!」と目がハートになるスタッフさんに
長い経験と強いクッキー愛を感じました。
生地の段階で今にも食べそうな勢いでした。(笑)

個人の規模ではあり得ないくらいの大量の粉を量り、延々と卵を割り、巨大なミキサーで生地を混ぜ…。
違う設備の中でどうなることかと思ったのですが、レシピと工程の相性もよく、
初回にしてはかなり美味しいクッキーとビスコッティが出来上がりました。

さすがに外が暗くなってくるまでの作業でくたびれましたが、
それよりも充実感があり楽しい作業でした。
Y-bakeの製造は一人でやってきたので、仲間がいると頼もしくて楽しいなぁと心温まる日でした。

その後も、わたし抜きで試作を重ねてくださったぎんがさん。

いつも細やかな気配りと準備と対応をしてくださるKさん。
難関の一つである、ビスコッティを切る作業も
迷いもなく見事にこなし、即修得してくださったK2さん。
オーブンの前で、いい匂い~と待つ姿がかわいらしく、思わずパチリ☆

このプロ集団のお口に合うのか心配でしたが、
スタッフさんたちにもくるみクッキーもビスコッティも評判は上々!
こんなにレシピを丁寧に扱ってくださることに、
ぎんがさんにお嫁入り(?)させてよかった、と心から思っています。

お互いにとって初めてのことでもあり、これからの展開は未定なのですが
大切に進めていきたいなと思っています。

外注するということで「yocoさんが焼かなくなるの?」というお声もいただき
申し訳ない気持ちとありがたい気持ちがありますが、
ぎんがさんならばわたしも安心しています。

これからも、焼き菓子工房Y-bakeをよろしくお願いいたします。